マンションの分電盤の役割と構造をわかりやすく解説! 

マンションに住んでいる方は、必ず目にすることがある分電盤。しかし、その役割や構造を理解している方は少ないのではないでしょうか。


分電盤は、マンションの各部屋に電気を分配する役割を担っています。また、使い過ぎや漏電を防止し、停電時に電気を復旧するなど、重要な役割を果たしています。

そこで本記事では、マンションの分電盤の役割と構造をわかりやすく解説します。分電盤の理解を深めることで、安全で快適なマンション生活を送ることができるでしょう。



■マンションの分電盤とはナニ?

マンションの分電盤とは、マンション内の各部屋に電気を分配する装置です。主開閉器、配線用遮断器、漏電遮断器など、さまざまな機器が組み合わさって構成されています。


■分電盤の役割とは?

なぜマンションに分電盤が必要なのか?

マンションに分電盤が必要なのは、以下の3つの理由があります。

・電気を各部屋に分配するため

・使い過ぎや漏電を防止するため

・停電時に電気を復旧するため


・電気を各部屋に分配するため

マンションの各部屋に電気を分配するには、分電盤が必要です。分電盤は、マンションの玄関や廊下などの共用スペースに設置されています。


・使い過ぎや漏電を防止するため

分電盤には、配線用遮断器と呼ばれる機器が組み合わされています。配線用遮断器は、電気の使い過ぎや漏電を感知すると、ブレーカーを遮断して、電気の流れを止めます。これにより、火災や感電などの事故を防止することができます。


・停電時に電気を復旧するため

マンションで停電が発生した場合、分電盤のブレーカーを操作することで、電気を復旧することができます。


■ 分電盤の構造について

マンションの分電盤は、主開閉器、配線用遮断器、漏電遮断器など、さまざまな機器が組み合わさって構成されています。これらの機器は、それぞれ異なる役割を担っています。


・主開閉器

主開閉器は、マンション全体の電気を遮断する機器です。停電時や、修理や点検などの際に使用します。

主開閉器には、以下の種類があります。

漏電遮断機能付き主開閉器
リモコン操作付き主開閉器


漏電遮断機能付き主開閉器は、漏電を感知すると、自動的にブレーカーを遮断する機能があります。

リモコン操作付き主開閉器は、遠隔操作でブレーカーを遮断できる機能があります。


・配線用遮断器

配線用遮断器は、電気の使い過ぎや漏電を感知すると、ブレーカーを遮断して、電気の流れを止める機器です。

配線用遮断器には、以下の種類があります。

単体配線用遮断器
ユニット配線用遮断器


単体配線用遮断器は、1つのブレーカーで1つの回路を保護します。

ユニット配線用遮断器は、複数のブレーカーを1つのユニットにまとめたものです。


・漏電遮断器

漏電遮断器は、電気が漏れていることを感知すると、ブレーカーを遮断して、電気の流れを止める機器です。

漏電遮断器には、以下の種類があります。

漏電遮断器
漏電遮断機能付き主開閉器

漏電遮断器は、主開閉器と組み合わせて使用されることが多いです。


その他の機器

分電盤には、主開閉器、配線用遮断器、漏電遮断器のほかにも、以下の機器が組み合わされることがあります。

電流計
電圧計
電線用接地端子
接地極接続器

電流計は、電流の流れを測定する機器です。

電圧計は、電圧の強さを測定する機器です。

電線用接地端子は、電線を接地するための端子です。

接地極接続器は、接地極と電線を接続するための器具です。


■分電盤の種類について

マンションの分電盤は、その用途や機能によって、さまざまな種類があります。ここでは、代表的な分電盤の種類について、その特徴や用途を解説します。


・一般的な分電盤

一般的な分電盤は、マンションの各部屋に電気を分配する役割を担っています。主開閉器、配線用遮断器、漏電遮断器などの基本的な機器が組み合わされています。


・漏電遮断器付き分電盤

漏電遮断器付き分電盤は、漏電を感知すると、自動的にブレーカーを遮断する機能があります。これにより、感電や火災などの事故を防止することができます。


・リモコン操作付き分電盤

リモコン操作付き分電盤は、遠隔操作でブレーカーを遮断できる機能があります。これにより、ブレーカーを操作するために、分電盤の近くに行く必要がありません。


・その他の分電盤

このほかにも、マンションにはさまざまな用途や機能を持つ分電盤が設置されています。

エコキュートやIHクッキングヒーターなどの高負荷家電に対応した分電盤や、太陽光発電や蓄電池などの再生可能エネルギーに対応した分電盤、分電盤の状態を遠隔監視できる分電盤などマンションの分電盤の種類は、マンションの規模や設備によって異なります。


■よくある分電盤のトラブルとは?

マンションの分電盤は、マンションの電気設備の重要な部分です。しかし、分電盤にもトラブルが発生することがあります。ここでは、よくある分電盤のトラブルについて、その原因や対処方法を解説します。


・ブレーカーが落ちる

分電盤のブレーカーが落ちるトラブルは、最もよく発生するトラブルです。ブレーカーが落ちる原因は、以下のとおりです。

電気の使い過ぎ
漏電
分電盤の故障

電気の使い過ぎによるブレーカーの落ちは、多くの場合、コンセントに多くの電化製品を接続したり、高負荷の電化製品を使用したりしたことが原因です。

漏電によるブレーカーの落ちは、電気が漏れていることを感知したことが原因です。分電盤の故障によるブレーカーの落ちは、分電盤自体の劣化や、自然災害による損傷などが原因です。


ブレーカーが落ちた場合、まずはブレーカーの原因を特定する必要があります。電気の使い過ぎによるブレーカーの落ちの場合は、コンセントに接続されている電化製品を減らすか、高負荷の電化製品を同時に使用しないなどの対策が必要です。

漏電によるブレーカーの落ちの場合は、分電盤の漏電遮断器を交換する必要があります。分電盤の故障によるブレーカーの落ちの場合は、電気工事士に修理を依頼する必要があります。


・分電盤から煙や臭いがする

分電盤から煙や臭いがするトラブルは、分電盤の故障の可能性があります。分電盤から煙や臭いがする場合は、すぐに分電盤のブレーカーを落とし、電気を使用しないでください。その後、電気工事士に修理を依頼する必要があります。


分電盤の故障は、電線の断線や、分電盤内の機器の劣化などが原因で発生します。分電盤の故障は、火災や感電などの重大な事故につながる可能性があります。そのため、分電盤から煙や臭いがする場合は、すぐに対処することが重要です。


・分電盤の表示灯が点滅する

分電盤の表示灯が点滅するトラブルは、分電盤の故障の可能性があります。分電盤の表示灯が点滅する場合は、すぐに分電盤のブレーカーを落とし、電気を使用しないでください。その後、電気工事士に修理を依頼する必要があります。


分電盤の表示灯が点滅するのは、分電盤内の機器の故障や、電圧の異常などが原因です。分電盤の表示灯が点滅する場合は、分電盤の故障を疑い、早めに対処することが重要です。


■トラブルの時の対処はプロにお任せ

分電盤のトラブルは、専門的な知識や技術が必要な場合もあります。そのため、分電盤のトラブルが発生した場合は、無理に自分で対処せず、プロに依頼することが重要です。


・分電盤のトラブルは専門的な知識や技術が必要

分電盤のトラブルは、大きく分けて以下の2つに分類されます。

電気的なトラブル
機械的なトラブル


電気的なトラブルは、ブレーカーが落ちる、分電盤から煙や臭いがする、分電盤の表示灯が点滅するなどの症状が現れます。これらのトラブルは、電気の使い過ぎや漏電、分電盤内の機器の故障などが原因で発生します。


機械的なトラブルは、分電盤の扉が開かない、分電盤が落下するなどの症状が現れます。これらのトラブルは、分電盤の設置場所や使用環境が不適切な場合、分電盤の劣化などが原因で発生します。


電気的なトラブルは、電気工事士の資格を持った人でなければ、適切な対処ができません。また、機械的なトラブルでも、分電盤の構造や仕組みを理解していないと、安全に作業を行うことができません。


・分電盤のトラブルを自分で対処すると危険

分電盤のトラブルを自分で対処すると、以下の危険があります。

感電や火災などの事故につながる
分電盤の故障を悪化させる
保険が適用されなくなる

感電や火災などの事故は、分電盤のトラブルの中でも、最も重大な危険です。また、分電盤の故障を悪化させると、修理費用が高額になる可能性があります。さらに、分電盤のトラブルを自分で対処したことが原因で、保険が適用されなくなることもあります。


・分電盤のトラブルはプロに依頼して安全に解決

分電盤のトラブルが発生した場合は、無理に自分で対処せず、プロに依頼することが重要です。プロは、電気工事士の資格を持ち、分電盤のトラブルの原因と対処方法を熟知しています。そのため、安全かつ迅速にトラブルを解決することができます。


分電盤のトラブルをプロに依頼する際には、以下の点に注意しましょう。

電気工事士の資格を持っているかどうか
分電盤のトラブルの経験があるかどうか
保険に加入しているかどうか

電気工事士の資格を持っていない業者に依頼すると、トラブルの原因を正しく特定できなかったり、不適切な対処をしたりする可能性があります。

また、分電盤のトラブルの経験がない業者に依頼すると、作業に時間がかかったり、費用が高額になったりする可能性があります。さらに、保険に加入していない業者に依頼すると、トラブルが発生した場合に費用を負担することになります。


マンションの分電盤は、マンションの安全と快適な暮らしを守るために重要な設備です。分電盤のトラブルが発生した場合は、無理に自分で対処せず、プロに依頼して安全に解決しましょう。


■まとめ

マンションの分電盤は、マンションの各部屋に電気を分配する役割を担っています。また、使い過ぎや漏電を防止し、停電時に電気を復旧するなど、重要な役割を果たしています。

これまでのコンテンツでは、マンションの分電盤の役割と構造、種類、よくあるトラブルについて解説してきました。

分電盤の役割と構造を理解することで、マンションの電気設備を安全に利用することができます。また、分電盤の種類を理解することで、マンションの規模や設備によって適した分電盤を判断することができます。さらに、よくあるトラブルの原因と対処方法を理解することで、トラブルを未然に防いだり、迅速に対応したりすることができます。


マンションに住んでいる方は、分電盤の役割と構造、種類、よくあるトラブルについて、ぜひ理解しておきましょう。